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2024.03.05 油圧

油圧ってなに? 知ってるつもりシリーズ8

こんにちは。常盤産業のブログ担当 田中です。

油圧」というものをご存知でしょうか。お仕事で油圧を扱わなくても、油圧ジャッキや油圧ショベルなどは聞いたことがある方が多いと思います。

油圧ジャッキも油圧ショベルも大きな力を生み出すものですが、そもそも「油圧」ってなんでしょう?知ってるよ!という方もいらっしゃれば、そういえば良く知らないかも…?という方もきっといらっしゃいますよね。

ということで、今回は「知ってるつもりシリーズ」第8弾として、油圧についてご紹介いたします。簡単な紹介となりますので、詳しく正確に知りたい方は書籍などでお調べください。

油圧は「」と「」で構成された言葉です。油はそのまま、あぶらですね。カタカナにするとオイル。機械の潤滑剤にしたりお料理に使ったり、美容の為に身体に塗ったりする油です。圧は押さえつけることです。「上司に圧をかけられる」とかの圧です。圧迫、とか重圧、外圧など。押さえつけて潰したり歪ませたり大きな力をかける意味ですね。カタカナにするとプレッシャーです。

油圧とは、油に力を加えて伝達し、その力をうまく利用して大きな力を生み出し仕事をさせる技術のことです。なぜ油に力をかけて大きな力を生み出せるのでしょうか。

容器に密閉された油に力を加えた時、発生した圧力がその油のすべての部分に等しく伝わります。どういうことかよくわかりませんね。

水風船を想像してください。その水風船に割れない程度に指で圧力をかけた時、力をかけた以外の全方向に同じように水風船は膨らみますよね。どこかに偏ったりはしないはずです。

水風船を押して発生した圧力が10だとすると、膨らんだ全ての部分に10の力がかかっています。10か所に1ずつ、ではなく、水風船の表面の全ての場所に10ずつかかっていますよ。

この性質、水だけでなく油でも同じなんです。

この性質と強い力を出せることにどんな関係があるのでしょうか。

油を右図のような小さな容器と大きな容器が繋がった形の密閉された容器に入れてみましょう。緑色が容器、黄色が油です。容器の上面は油の上にフタが乗っています。(あまり絵がうまくなく申し訳ありません。)

小さい容器のフタに上から力をかけてみます。赤い矢印を力だと思ってください。すると、油に圧力が発生し全体に均一に伝わる為、大きい容器のフタには面積が大きい分、沢山の圧力(矢印)が集まります

例えば小さい容器のフタの面積が10で、大きい容器のフタの面積が50だった場合、加えた力の5倍の力を生み出すことができますよ。

この性質のことを「パスカルの原理」というそうです。そういえば物理の授業で聞いたような聞いてないような……。

ところで、水風船でもパスカルの原理が働くなら油でなく水でもいいのではないでしょうか。過去をさかのぼると、油圧はもともと水を利用した水圧から始まっているようです。万が一容器が破損して中身が「漏れ」ても水の方が片付けもかんたんですよね。

でも、そこには油の方が優れている理由もちゃんとあります。

水は金属でできた機械をサビさせてしまったり、温度変化で凍ったり沸騰したり、と扱いづらいのです。また、油は水よりもねっとりと粘性がありますね。この粘性によって圧力をかけても「漏れ」を少なくでき、比較的かんたんに圧力を上げられます。また油は潤滑も兼ねているので動く部分の摩耗も防ぐことができ、装置が長持ちしますよ。

こういった理由から、私たちの身の回りでは多くの油圧機器が働いているのですね。

さて、常盤産業では油圧の中でも工場内で活躍する油圧製品を主にご提案しております。

お客様のニーズにあわせて設計するオリジナル油圧ユニットから、エレメント・フィルタなどの油圧部品まで。

油圧ユニットや油圧部品についてのご相談は下記お問合せボタンより。お待ちしております。