BLOG

ブログ

ブログ
2023.07.19 安全環境

ヒューム 知ってるつもりシリーズ5

こんにちは。常盤産業のブログ担当 田中です。

業界や製品にまつわる専門用語っていろいろありますね。みんな当然知っているような雰囲気で使っていますが、「実はよく知らないけど今更誰にも聞けない」、「知ってるつもりだったけどよく考えるとあまりわかっていない…」ということ、あるのではないでしょうか。私はあります。

今回は「知ってるつもりシリーズ」第4弾として、ヒュームについてご紹介いたします。簡単な紹介となりますので、詳しく正確に知りたい方は書籍などでお調べください。

ヒューム。溶接現場などでよく聞かれる言葉です。哲学者の名前などと同じ音の為、「溶接ヒューム」や「金属ヒューム」と呼ばれることもあります。また、「フューム」と表記されることもあるみたいですよ。

ヒュームとは

ヒュームとは、アーク溶接をする時に溶接部から出てくるもやもやとした煙のようなもののことです。この煙、いったいなんなのでしょう?

その正体は……溶けて酸化した金属の粒子です!

そもそもアーク溶接とはアークという放電現象を利用して5000℃以上の高温を発生させ、金属を溶かしながら接合していく溶接方法です。

高温で溶けた金属は全てが冷え固まって溶接されるわけではなく、一部は蒸気となって空気中に漂います。その蒸気が空気中で固体の細かい粒子となったもの、それが「ヒューム」です。

集塵機で集められたヒューム

ヒュームの粒子の大きさは0.1~1μm(ミクロンメートル)。花粉の大きさが30μm、細菌が1μm、ウイルスが0.1μmと言えば、どれだけ細かい粒子かがわかりますね。

このヒューム、健康被害を引き起こすとされています。実際どのような危険があるものなのでしょうか。

ヒュームの危険

ヒュームを吸い込むことによって、じん肺神経障害を引き起こす可能性があります。

じん肺の初期症状はほとんどありませんが、病気が進むと息切れがでる、といった症状があらわれます。また、肺結核や気管支炎、気胸などの合併症にかかりやすくもなります。さらに、じん肺は一度なってしまうと仕事を辞めてヒュームを吸い込まなくなっても進行し、根本的な治療方法は現代においてもまだありません

神経障害はヒュームに含まれるマンガンが引き起こすとされており、倦怠感や記憶障害、不眠などの症状がみられます。さらに症状が進むと歩行障害や言語障害、軽度の知能低下などなど……。こちらも恐ろしい症状ですね。

また、ヒュームはd肺がんのリスクも高めます。

溶接作業者や付近で働く他の作業者を守る為にも、ヒュームによる健康被害を引き起こさない、ヒュームを吸い込ませない対策が必要ですね。

さて、常盤産業ではそんな危険な溶接ヒュームへの対策をご提案しております。

ニードル放電式電気集塵機はフィルタ式集塵機でも除去しきれない細かな粒子までしっかりとれ、火災リスクはほぼゼロ、メンテナンスも専門スタッフが行う為メンテナンス時の作業者への暴露も心配のない製品です。

ダクトアームによる局所集塵

詳しくはこちらの過去記事(【2021年4月規制強化!!】溶接ヒューム対策)をご覧ください。

ヒューム対策のお問合せやご質問は下記お問合せボタンから、お待ちしております。