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赤外線サーモグラフィは

何を測っているのか

こんにちは。常盤産業のブログ担当 上野です。

赤外線サーモグラフィって、随分身近なものになりましたね。コロナ禍時代から定着したお店や病院などの入り口に設置された検温器。ピッと数秒で皮膚表面の温度を測り体温を推定します。昔の水銀体温計(この体温計のことをご存じなのはミドル世代以降かもしれません)なら数分待たなくてはならなかったのに…不思議です。

赤外線サーモグラフィは、なぜ非接触で測ることが出来るのか…。

それは、体から出ている「赤外線」を測っているからです。今回は、サーモグラフィが測る「赤外線」についてご紹介します。

なぜ触れずに温度が測れるのか

非接触で測るサーモグラフィなら離れていても温度が測れる

赤外線サーモグラフィが測っているのは、物から出る「赤外線」です。赤外線は物の温度によって出てくる光の一種で、それを利用して温度の違いを色で見えるようにするのが、赤外線サーモグラフィです。

赤外線って言葉では聞いたことあるけど、見たことがないっていう方多いですよね?それもそのはず、赤外線はほとんどの人が目で見られない領域の光だからです。
「目に見えないけど存在している」ってなかなか受け入れがたい…。
でも、この赤外線を利用している動物もいます。ガラガラヘビやニホンマムシなどは獲物を狙うときに赤外線を利用しています。こうすることで、暗い暗い夜中でも温度を感じ取り、獲物をゲットできるのは赤外線のおかげなのです。

赤外線サーモグラフィだから見えるもの

赤外線で測るから非接触でも測れるサーモグラフィ

赤外線で見える世界と目から見ている世界は、まるで別世界です。真っ暗で、目では見えない状況でも赤外線で見れば、まるで昼間のようにくっきりと見られます。しかも、煙や霧で視界が遮られている状況でも赤外線を利用すると、くっきりと見えるのです。
デジタルカメラが苦手な真っ暗な中での撮影も、赤外線サーモグラフィならしっかりと撮影できます。

赤外線サーモグラフィだからこそできること

赤外線サーモグラフィは、物に触れずに温度を測定できます。加えて、温度の変化や熱の移動を追いかけることも可能です。しかも測定スピードが速い!
これらの特長を活かして、多くの機械設備やプラント設備の温度を監視するために利用されています。この他にも目で見えない外壁のひび割れを見つける、火山活動を監視における地表熱の温度観測や、ごみ処理場での火災防止のための発火監視にも利用されています。
光がなく、視界の悪い状況でもしっかり温度を測ることができるサーモグラフィの利用は、無限大なのかもしれません。

《実験》

非接触で測るサーモグラフィで何がみえるのか
水で「T」の字を書いたボード。肉眼では文字をみることができない

可視化できないものを計測可能
赤外線サーモグラフィカメラ越しにみると「T」の文字を見ることができる

赤外線サーモグラフィが気になったら

サーモグラフィを利用してみたいけど、自社にはどんな機能が必要なのか…なかなか決められないですよね。そんなときはお気軽に常盤産業にお声かけください。弊社がご紹介する日本アビオニクス社のサーモグラフィは国産。導入から設置、アフターフォローまでしっかりと行います。しかも機種によっては3年保証付きなので安心です。サーモグラフィのことなら常盤産業に!お待ちしております。

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2025NEW環境展に</p>株式会社土岐が出展 | サーモグラフィ

2025NEW環境展に

株式会社土岐が出展

こんにちは。常盤産業です。 弊社のお客様である株式会社土岐が2025NEW環境展に出展されるお知らせです。 株式会社土岐いえば、移動式RO浄水器「LIFECART」でご存知の方も多いのではないでしょうか。 そして、今回、環境展にご出展されるのは、日本アビオニクス株式会社のサーモグラフィカメラ「N50」とASK株式会社の旋回ノズル「ATN」を合わせた設備です。 このような組み合わせは、近年、多くの産廃工場で注目を集めています。その理由は、火災が起こる前にサーモグラフィカメラが異常な熱を感知し、即座に水を散水して火災を未然に防ぐことができるからです。まさに最前線の発火防止システムです。 詳しい内容はこちらをご覧ください。(PDF) 既存のノズルをカスタマイズ さらに、この仕組みで工夫されているのが、旋回ノズルの向きです。 通常、既存のノズルは横方向から水を噴出する設計ですが、なんと、下方向からも水が出るようにカスタマイズされています。横方向と下向きの噴水で、一気に熱を下げます。 実際の動きは、こちらの動画をご覧ください。 既存のノズルにさらに下方向のノズルを追加し、2方向から噴水するようにカスタマイズ。 カスタマイズされたノズルは、動画の右側です。 可視カメラ搭載!遠隔監視ができる赤外線サーモグラフィカメラ「N50」 また、このシステムの中核となるのが、日本アビオニクス株式会社の赤外線サーモグラフィカメラ「N50」です。「N50」は、熱を感知するだけでなく同時撮影も可能です。さらには、屋内だけでなく屋外でも使用できます。遠隔操作ができるので状況を監視するのには最適です。 屋内外で使用できる「N50」。遠隔操作はもちろん同時撮影も可能です。 「あったらいいな」をカタチにするのが常盤産業 弊社ではお客様のニーズに合わせ、既存の製品を組み合わせる、あるいは、設計してカスタマイズすることも得意とするところです。「こんな設備があれば…」というご要望やアイデアがございましたら、ぜひお聞かせください。 どのような製品を組み合わせたら、お客さまのご要望にお応えできるか、とことん考え、ご提案いたします。 お気軽にお問合せください。 2025NEW環境展にご来場の方へ 今年から入場は、完全事前登録制となっています。事前にご登録いただくと無料で入場ができます。(なお、事前登録せずに当日ご来場の場合は、5,000円の入場料がかかりますので、ご注意ください。)2025NEW環境展についてはこちらをご覧ください。2025NEW環境展について ・弊社の取り扱い製品はこちらからご覧いただけます ・弊社が手掛けた事例はこちらからご覧いただけます ・自働化・省人化に関する他の記事はこちらからご覧いただけます ・画像を活用した設備はトキワシステムテクノロジーズへ

もしもサーモグラフィがなかったら… | サーモグラフィ

もしもサーモグラフィがなかったら…

こんにちは。常盤産業のブログ担当 上野です。サーモグラフィの特長はなんといっても触れることなく温度を測れることです。さらには人の目ではなかなか見えない暗い場所や煙が充満しているような視界が悪い場所でも測定ができます。そんなサーモグラフィは製造業界や医療業界などでなくてはならない存在に。でももしサーモグラフィがなかったら…。私たちの暮らしはどう変わっていたのでしょうか。 サーモグラフィの誕生はいつ? 赤外線が発見されたのが1800年代のイギリス。なんと今から224年も前のことです。日本が江戸時代末期から明治にかけての時代に、赤外線は発見されていました。一般的に実用され始めたのは第二次世界大戦の後。開発の主な目的は軍事使用で、一般の人が使用するにはとても不便なものでした。開発が進み、産業界や医療界に普及し、その後一般向けに広がりました もしもサーモグラフィがなかったら もしサーモグラフィがなかったら、私たちの生活は大きく変わっていたでしょう。非接触で測定可能なサーモグラフィは、あらゆる製造業や化学、医療の分野の進歩に影響を及ぼしていたはずです。 例えば、製造業界では温度の異常を見つけるといった業務が増えていたかもしれません。多くの時間と人数が必要になるため人件費がかさみ、生産性が低下するだけでなく、コストもかかるため製品価格も今と比べ、高くなっていたのではないでしょうか。さらには生産できる数が今よりも減ってしまうため、欲しいものがすぐに手に入らなかったかもしれません。 医療業界においても同様です。体表温度の異常をみつけるサーモグラフィがなければ、症状がでてからの対処となるため重症化してしまうかもしれません。そのため完治するまでに時間がかかったのではないでしょうか。何より患者さんが辛い思いをする時間も延びてしまった可能性があります。サーモグラフィは、産業界や医療業界の進化のスピードを早め、私たちの生活を便利に安定させてくれたとっても過言ではありません。 ゴミ処理場で利用されるサーモグラフィ※異常温度箇所の特定や発火前の温度上昇をとらえ火災防止の目的で利用されている 産業界や医療界以外でもサーモグラフィは活躍中 サーモグラフィは物体から放出されている赤外線量を計測しているので、暗い場所や煙で視界が遮られている場所でも利用できます。人の目では見えないところでもサーモグラフィならみられるのです。この原理を利用し、被災者の発見や火山活動を調べる際の地熱の監視にも利用されています。この他にも人が作業するには危険な鉄道の架線や橋梁など高い場所の過電流の熱検知にも利用されています。 サーモグラフィがある未来は安全でエコ! サーモグラフィを利用することで品質維持や生産性が向上します。品質維持ができれば、不良品が減り資源の無駄を減らすことが可能です。暗い場所もしっかり監視できるので、照明なしでの夜間撮影ができ防犯対策としての利用が可能になります。資源の無駄を減らすだけでなく省エネにも貢献できるなんてエコそのものですね。赤外線サーモグラフィは住みやすい社会を実現するには欠かせない存在になりそうです。 変電設備で利用されているサーモグラフィ※異常発熱の検知や劣化による故障や異常箇所を通知する目的で利用されている サーモグラフィを設備に追加したい!でもどうしたらよい? サーモグラフィに興味があるけど実際の設備に合うのは、どんな機種なのか、どんな機能があるのか…わかりませんよね。でもご安心ください。弊社スタッフがお客様のご要望をお聞きしながらご提案いたします。サーモグラフィが気になったら、お気軽に常盤産業にお任せください。サーモグラフィのことなら常盤産業に。お問い合わせお待ちしております。 ・サーモグラフィに関する他の記事はこちらから ・弊社が手掛けた事例はこちらから ・画像を活用した設備はトキワシステムテクノロジーズへ

サーモグラフィ画像に隠されたたくさんの数字の秘密とは | サーモグラフィ

サーモグラフィ画像に隠されたたくさんの数字の秘密とは

こんにちは。常盤産業のブログ担当 上野です。サーモグラフィの特長はなんといっても触れることなく温度を測ることができること。測ると色の違いで温度を教えてくれます。実は、画像のように見えていますが、実は大きな秘密が隠れている暗号だったのです。そんなサーモグラフィは今、あらゆる業界で活躍中です。なぜ、サーモグラフィが現場になくてはならないものなのか…。こんなサーモグラフィがあればよいのに…を製品化した最新機種についてご紹介します。 サーモグラフィ画像の小さな点は数字だった! よく目にするサーモグラフィの画像、ちょっとカクカクしている「画像」だと思っていませんか?実は、これ画像ではありません。拡大してみてみると…なんと温度を表す数値だったのです。数字ひとつひとつに色を設定することができ、温度を画像のように見ることができます。 ちなみに、国内では低い温度を寒色系、高い温度を暖色系で表す場合が多いですが、海外は色の表示が反対の場合もあります。その結果、対象物の温度によって色が変わっているような画像に見えていたのです。 どの部分でどれくらい温度差があるのか…といった温度分布を知ることは、製品の稼働温度の傾向を知ることができます。さらに、どの部分で温度が高くなり、その温度がどう変化しているのか…といった「熱」の移動を追いかけることも可能です。これは熱を点でなく面でとらえることができるサーモグラフィだからこそです。 ひとつひとつの点は画素! サーモグラフィが測っている点は「画素」といわれるものです。ちなみに、画素…カメラやテレビなどの画面で「〇〇画素」といわれるあの画素のことで、画像にあるひとつひとつ点のことです。この点が多ければ多いほど細かいところまできれいに見ることができます。 サーモグラフィでもたくさんの点(画素)を測る方がより細かく温度を知ることができます。つまり、低画素よりも高画素の方がたくさんの点(画素)があるので、きめ細やかな温度変化を知ることができるということです。 サーモグラフィがあると現場はどう変わる? サーモグラフィで対象物の温度を面でとらえることができます。しかも物から出る赤外線を測るという仕組みからさまざまな業界で利用が可能です。 石油タンクをサーモグラフィで見ると… 現場で利用するメリットとは…・非接触なので衛生的に温度を測ることができる・高所の設備でも人が上ることなく測ることができる・高温部分でも人が近寄ることなく温度を測ることができる・暗く煙っている環境でも測ることができる・細かい部分の温度まで測ることができる・短時間で温度を測ることができる…などなど。 高所や高温での作業は危険が伴いますが、サーモグラフィを使うことで安全に測ることが可能です。また人の目では見えづらくなる夜間や視界が悪いなかの計測も可能なので、災害時の利用も可能です。しかも狭いところに潜り込ませて測定ができる機種もあります。 ざっと挙げただけでもサーモグラフィのできることはこんなにたくさん。 もうサーモグラフィは、人の目を超えたといってもよいのではないでしょうか。 あったらいいな…を形にした新機種インフレック F50シリーズ 進化を続けるサーモグラフィ。さまざまな業界に普及することにより「こんなことをしたい」というお声を耳にすることがあります。 日本アビオニクス社製の「インフレック F50シリーズ」 例えば、・ピント合わせが簡単にできるフォーカスフリーなサーモグラフィがあればいいな・広角レンズや望遠レンズのサーモグラフィがあればいいな・設備上部から見下ろせるカメラとコントローラーを離して使用できるサーモグラフィがあったらいいな・設備の下部分をカメラでのぞき込めるサーモグラフィがあったらいいな…など。 日本アビオニクス社製の「インフレック F50シリーズ」は、こんな「あったらいいな」をすべて叶えた機種です。パソコンにUSB接続するだけでリアルタイムに収録・解析できます。 今ならお得にゲットできるチャンス 日本アビオニクス社製の「インフレック F50シリーズ」 サーモグラフィを検討したい…とお考えなら今がチャンスかもしれません。日本アビオニクス社では、F50を購入すると、1本十数万の熱画像解析ソフトが無償でもらえる、2025年3月28日までにRシリーズの見積り依頼をすると機器更新の際に1本数十万円の熱画像解析ソフトが無償でもらえるキャンペーンを多数実施しております。 これは、かなりお得ですね。サーモグラフィについてのご相談は常盤産業にお任せください。 サーモグラフィのことなら常盤産業に!お待ちしております。 ※ブログの内容、テキスト、画像等の転載・使用を禁じます。 サーモグラフィカメラに関する他の記事はこちらから 弊社が手掛けた事例はこちらから 画像を活用した設備はトキワシステムテクノロジーズへ

温度管理のエキスパート「サーモグラフィ」ならもう見逃しはない! | サーモグラフィ

温度管理のエキスパート「サーモグラフィ」ならもう見逃しはない!

こんにちは。常盤産業のブログ担当 上野です。 コロナ流行の際にはすっかり生活の一部となった「体温測定」。皆さんはどうやって測っていますか? 皮膚に触れることなく「ピッ」と測っている方も多いですよね。 なぜ皮膚に触れることなく体温が測れるのか…実はこれ赤外線を利用しているからなのです。赤外線を利用する測定器のひとつにサーモグラフィがあります。 そもそもサーモグラフィって何なのでしょう。 サーモグラフィのサーモには「熱の…」、グラフィには「記録法」という意味があり、日本語でいうなら「熱の記録法」という言葉になります。 う~ん…。 「熱の記録法」より「サーモグラフィ」という言葉の方が馴染みがありますね。今回は唯一の国産メーカーである日本アビオニクス社のサーモグラフィについてご紹介します。 「熱」は目で見ることができるのか 熱を目で見ることはなかなか難しいです。私たちの目で見える「熱」として思い浮かぶのは、鉄が溶かされるときや太陽の赤っぽいオレンジ色ではないでしょうか。目で見ることができる熱はとても限られているうえに温度が高い「熱」がほとんどです。でも「熱」にはいろんな温度があるはず。そんないろいろな「熱」を見ることができるのは「サーモグラフィ」です。 サーモグラフィは、機種にもよりますがー40℃から2,000℃くらいまで測ることができます。一体どうやって測っているのでしょうか。 実はサーモグラフィは物から出る赤外線を測っています。赤外線と聞くと戦隊系が出す「★★ビーム!」といったビリビリする光線を想像してしまう方もいるのでは…。 赤外線は基本的に目に見えない光線で、私たち人間だけでなく熱を持つものが出している光線なのです。赤外線だからこそ非接触で測ることができるのです。 サーモグラフィを設備に追加したら… サーモグラフィはすでに建築や機械、自動車、航空などのさまざまな業界で利用されています。その理由は、温度の分布を見ることができ、暗い場所や見通しが悪い場所でも測定することができるから。 サーモグラフィは対象となるものから出ている赤外線を画素一つひとつの単位で測定し、その点と点を合わせ面として表します。そのため真夜中でも視界の悪い場所でも非接触で測定が可能です。 面で温度を見ることができれば、どの部分の温度が高いのか・低いのかを知ることができ、異常温度を見逃してしまうことがありません。 異常が発生したときは知らせてくれるアラーム機能が付いたものもあります。この他にも機種によっては、離れた場所や遠隔操作ができるものや高速で動いているものを測ることができるものもあります。 東海地方でサーモグラフィの利用が多い業種は? 東海地方でサーモグラフィを多く利用している業界は、基板や金型などを使用する製造業です。 基板関係で活用している現場では、部品交換後にその部品がうまく動いているか、基板全体がうまく機能しているかを確認する目的で利用されています。 金型関係で活用している現場では、品質の維持・向上を目的とした利用です。金型は温度が低いと充填したものにムラや亀裂が入り、逆に温度が高いと熱で金型が変形してしまい製品自体が変形してしまいます。いわゆる不良品です。これらを防ぐためサーモグラフィが利用されています。 この他にも生産に直結しているライン内の品質管理、不具合品や新製品の評価・開発でも幅広く利用されています。 サーモグラフィならこんなこともできる!? サーモグラフィの未来は今よりももっと身近な存在になるのではないでしょうか。 例えば熱い飲み物を飲む前に「ピッ」、 焼き芋やたこ焼のような中が熱いものを食べるときに「ピッ」と手軽にできるようになれば口の中をやけどすることも減るかもしれません。 温度管理のエキスパートであるサーモグラフィにご興味ある方、実際に設備として利用したいとお考えの方は下記お問合せボタンよりお問い合わせください。 サーモグラフィのことなら常盤産業に!お待ちしております。

アクリル板越しにサーモグラフィカメラを使うと…?意外と知らないシリーズ | サーモグラフィ

アクリル板越しにサーモグラフィカメラを使うと…?意外と知らないシリーズ

こんにちは。常盤産業のブログ担当 田中です。 こちらの画像をご覧ください。 左側の明るい大きなグレーの四角形の中にそれより暗いグレーの小さな四角形、右側の暗い大きなグレーの四角形の中にそれより明るいグレーの小さな四角形が描かれています。この小さな四角形二つ、どちらが暗い色に見えますか? 実は左右の小さな四角形はどちらも同じ色なのですが、周りを囲む大きな四角形の色に引っ張られて左の方が濃いグレーに見えてしまいます。これは「明暗の錯視」とか「明暗の対比」などと呼ばれる目の錯覚です。 目で見て感じている感覚と実際のものが一致しない、見え方が違う、目が勘違いを起こす、なんてなんだか不思議ですね。 実は目に見えるものでもサーモグラフィカメラだと上手く見えない、なんてこともあります。以前アルミホイルを使ってサーモグラフィカメラの実験を行いましたが、本日はその続編として透明なアクリル板を使ったサーモグラフィカメラの実験を行ってみますよ。 赤外線サーモグラフィカメラとは、物体から発せられる赤外線を受光して、そのものの表面温度を測定する測定器で、対象に触れずに表面温度を計測でき、またどこがあたたかいか冷たいか温度分布を計測できるなど、接触式の温度計とは違う便利さを持ちます。 まず、ほかほかのお湯が入った紙コップを用意しました。 この紙コップがどれくらいほかほかなのか、画像ではわからないので接触温度計を当ててみます。 反射でちょっと見えづらいですが、71.7℃となっております。手で持てないことはないですがほかほか、といって差支えない温度ですね。 この状態でサーモグラフィカメラを通して見てみると…… 紙コップ側面は69.6℃。撮影に手間取っている間に少々冷めましたが、接触温度計で測ったのと大きな差はありませんね。 ここで、透明なアクリル板を用意。コロナ禍では飲食店やオフィスなどあらゆるところで見かけたあの板です。空間を仕切りながらも向かいに座った相手の表情はしっかり見える、画期的な設備でしたね。 このアクリル板の向こう側に先ほどのお湯入り紙コップを置いてサーモグラフィカメラで見てみるとどうなるでしょう? こうなります。 サーモグラフィカメラが壊れちゃった!?と思う、真っ青な光景ですが、ご安心ください、壊れておりません。ポイントaが19℃を示しており、その周辺も全て真っ青な為、カメラに写っているほぼ全てが一様に約19℃ということです。 右の写真画像を見るとたしかにアクリル板の向こう側にお湯入り紙コップがあるのですが、サーモグラフィカメラではお湯入り紙コップの温かさを全くキャッチできておりません。 なぜなのか、というと、アクリル板は赤外線を透過しない為です。赤外線の世界ではアクリル板は透明ではなく、向こう側を見通せない壁なのです。私たちが壁の向こう側を透視することができないように、サーモグラフィカメラはアクリル板の向こう側の赤外線を感知できない、ということですね。 これはアクリル板以外にガラスなども同じように赤外線を透過しません。逆にゲルマニウムなどは私たちの目には透明に見えませんが、赤外線は透過します。その為サーモグラフィカメラでゲルマニウムの板の向こう側の温度を見ることができますよ。 サーモグラフィカメラレンズ:サーモグラフィカメラのレンズはゲルマニウムでできています 恒温室の中をアクリルの窓からサーモグラフィカメラで覗きたい、ガラス越しに加工機の中をサーモグラフィカメラで測定したい、という場合は何か工夫が必要ですね。 このように、赤外線の世界は私たちの見ている可視光の世界とは思わぬところに違いがあります。「せっかくサーモグラフィカメラを導入したのに上手く測定できない!」という事態を防ぐ為にも、見たいものが見たい環境でしっかり見られるのか、どうしたら見られるのか、をしっかり確認する必要があります。 弊社では信頼のおける測定結果が出るよう、計測条件や環境整備も含めてご提案しております。 ご相談は下記お問合せボタンより。お待ちしております。

サーモグラフィでアルミを見ると…? 意外と知らないシリーズ4 | サーモグラフィ

サーモグラフィでアルミを見ると…? 意外と知らないシリーズ4

こんにちは。常盤産業のブログ担当 田中です。 右の画像をご覧ください。 黒地に白く太い線がいくつも交差しているだけの画像ですが、なぜか縦の白線と横の白線が公差する部分にぼんやりと黒っぽいような灰色っぽいような丸が見えたり見えなかったりしませんか? この画像自体には白線の公差部分には何も書かれていませんし、実は動画で動いているということもありません。 白線の公差部分に黒っぽい丸が見えたり見えなかったりするのは画像ではなく、私たちの目が勘違いを起こしている為起きている現象です。これは、「ハーマングリッド効果」と呼ばれるもので、なぜ目がこのような勘違いを起こすのかはまだはっきりと解明されていないそうですよ。 無いはずのものが見えてしまう、見えている景色と実際の景色が一致しない、なんて、なんだか不思議ですね。 実はサーモグラフィカメラでも実際の温度と画像上に表される計測結果とが全く一致しないケースがあります。 本日はサーモグラフィカメラで測定する時に起こりがちな、うまく計測が行えないケースをご紹介いたします。 まず、赤外線サーモグラフィカメラとは、物体から発せられる赤外線を測定して、そのものの表面温度を測定する測定器です。コロナ禍では街中にも人の表面温度を測る為のサーモグラフィカメラが沢山設置されていましたね。サーモグラフィカメラは対象に触れずに表面温度を計測でき、またどこがあたたかいか冷たいか温度分布を計測できるなど、接触式の温度計とは違う便利さを持ちます。 しかし、サーモグラフィカメラではうまく温度測定できないものがいくつかあります。その一つが金属。 どれくらいうまく測定できないか、簡単な実験をしたのでご紹介します。 使用するのはこちら。ほかほかのお湯入りコップとアルミホイルです。 このままではお湯がほかほかかどうか分かりづらいのですが、サーモグラフィカメラで上から見てみるとこの通り。 紙コップの中のお湯は白~赤色で表示され、90℃を超えています。やけどするほどほっかほかですね。 その後、この紙コップにアルミホイルをかぶせ、少し待ってみました。熱伝導性の高いアルミホイルはすぐに温められ、指でアルミホイルに触れるとついつい「熱っ」と指を離してしまうくらい熱々です。 接触温度計で測ってみるとこの通り、84℃でした。しっかりあたためられていますね。 しかし、このアルミホイルをサーモグラフィカメラで見てみた結果がこちら。 とても見えづらいですが、背景の机と同じような真っ青や水色で表示され、20℃程度しかないと表示されています。私の体感とも接触温度計の結果ともかけ離れています。 なぜこんなに違ってしまったのでしょう? それは、アルミがサーモグラフィカメラでとても測定しづらい物質だからです。アルミは私たちの目にもぴかぴか反射して見えますが、赤外線の世界でも同様に反射しています。アルミ自体の温度よりも、反射で映し出される周囲のものの温度が見えてしまっているのです。 イメージとしては鏡。鏡に映ったものの色は見えますが、鏡自体の色を見るのはなかなか難しいのではないでしょうか。 つまり、この20℃くらいの温度はアルミホイルの温度ではなく、アルミホイルに写り込んだ天井や壁、計測・撮影している私など、周囲にあるものの温度です。 このように、サーモグラフィカメラの使い方を誤ると全く信頼できない結果が出る可能性があります。 弊社では信頼のおける測定結果が出るよう、計測条件や環境整備も含めてご提案いたしますよ。 下記お問合せボタンよりご相談・お問合せお待ちしております!

大特価!フリースタイル・サーモグラフィカメラ | サーモグラフィ

大特価!フリースタイル・サーモグラフィカメラ

こんにちは。常盤産業の田中です。 皆様、”特売”や”セール”という言葉、お好きでしょうか? 私は特段大好き!というわけではないつもりですが、スーパーやショッピングモールでこの文字を見ると、とりあえず見てしまいます。そして、しばしばつい買ってしまうこともあります。先日も以前から気になっていた家電が安くなっていたのでついつい買ってしまいました。現在、我が家で大活躍しております。 気になっていたものをお得に購入できてラッキー、ということは誰しも一度くらいはあるのではないでしょうか。 さて、本日は以前から気になっていた方も多いであろう製品の”特売”お知らせです!その製品とはこちら。 日本アビオニクス製赤外線サーモグラフィカメラ「Thermo FLEX F50シリーズオンラインモデル」です。 細長いスティック状のカメラヘッドと、モニタのついたコントローラから成る世界初のカメラヘッド脱着型赤外線サーモグラフィカメラThermo FLEX F50シリーズ(以下 F50)は多様な使い方のできる大変便利なヒット商品です。まずはF50オンラインモデルの特徴をご紹介していきますよー! ・フリースタイル・サーモグラフィカメラヘッドとコントローラが回転・分離できるため、カメラヘッドだけを狭い場所に入り込ませたり、設備の裏へ回り込ませたり、自撮り棒にくっつけて手の届かない高い場所から見下ろしたり、と言った使い方が可能です。さらにカメラヘッドは70℃までの耐熱設計の為、恒温槽の中に入れての計測までできちゃいますよ。 ・フォーカスフリーレンズは広角70°(Bタイプモデル)と35°(Aタイプモデル)の2種類のバリエーションがあり、そのどちらもがピント合わせのいらないフォーカスフリー。サーモグラフィカメラを使っての作業に慣れていない方でも効率的に撮影ができます。 ・PCがあってもなくても便利に計測・解析PCが無くても時系列での温度変化を記録する「温度トレンドグラフ機能」を搭載している為、解析作業を大幅に効率化することが可能です。作成したグラフはCSV保存ができる為、PC転送すればエクセルなどでグラフを再現できますよ。また、PCと接続して計測すれば最大7.5Hzで熱画像と可視画像を同時転送ができ、温度データ付きの動画記録も保存できます。 このように、従来のサーモグラフィカメラとは一線を画すF50オンラインモデル、もともとの価格が65万円(税別、オプション別)。数百万円することが珍しくないサーモグラフィカメラの中ではかなりお手頃価格ですね。 しかし、今回はさらに!メーカーである日本アビオニクスのソリューションセンター開設を記念して期間限定の特別価格、なんと……「 48万円 (税別、オプション別)」でご案内いたします! 気になる期間は2023年5月10日受注分までです。ただし、キャンペーン対象規定数に達し次第終了の為、ご検討される方はお早目のご連絡をお願いいたします。まずはご相談だけでも問題ありません。 購入検討したい、詳細なスペックを知りたい、デモ機に触れてみたい、という方は下記お問合せよりご連絡ください。 日本アビオニクス株式会社 ソリューションセンターについてはこちら

目に見えないものを見る為には | サーモグラフィ

目に見えないものを見る為には

こんにちは。常盤産業のブログ担当 田中です。 犬や猫にとってこの世界がどう見えているかってご存知ですか?実は人間とはかなり違う世界を見ています。犬は青と黄色、猫は青と緑、を感知することができます。つまりその2色とそれらの中間色しか見えていないんだそうです。赤色なんかは灰色っぽく見えるようですよ。 一方で人間には見えない光(色)を見ている動物もいます。昆虫などは人間には見えない紫外線が見えています。 では、紫外線の反対の赤外線はというと、マムシやハブなどの一部のヘビは感知できます。目で見ているわけではなく、ピットという器官で赤外線を感じ取って獲物のいる方向を判断しているそうですよ。 私たちの目には赤外線は見えませんが、赤外線サーモグラフィカメラを使用すれば赤外線を利用して物の表面温度を知ることができます。なぜ、赤外線サーモグラフィカメラで表面温度を測ることができるのでしょうか。 ・そもそも赤外線とは赤外線とは、私たちの目に見える光と電子レンジなどに使用されるマイクロ波との間の領域の光のことです。絶対零度(マイナス273℃)よりも温度の高い全ての物質から自然に放射されています。私たちの身体からも、洋服からも建物からも赤外線は出ているんですね。 ・なぜ赤外線で温度がわかるのか温度を持つ全ての物体から赤外線は放射されていますが、その物体の温度が高温になればなるほど赤外線の放射量が大きくなります(物体の温度の4条に比例)。つまり、冷たいアイスクリームより温かい私たちの方が沢山赤外線を出していて、赤外線の世界ではより明るく光っていることになります。 ・なぜ赤外線サーモグラフィカメラでものの温度がわかるのかサーモグラフィカメラは物体から出ている赤外線の強さを特殊なレンズとセンサーで検出し、表示しています。赤外線の強さは物体の温度が高い程強くなることを利用して、物体に触れずにその表面温度を換算することができます。私たちの目に見える光がない、暗闇の中でも赤外線は出ているため、光源がなくても映像化できますよ。 見えないものが見えるってなんだか不思議ですよね。 赤外線サーモグラフィカメラを使用すると、見えないものが見えるかわりにアクリル板の向こう側の景色など、目で見えるものが見えなかったりもします。使用をご検討される時には赤外線の特性に合わせた環境整備が必要になることがあります。 弊社では、日本国内で唯一の赤外線サーモグラフィカメラメーカー、日本アビオニクス社のサーモグラフィカメラを取り扱っております。 弊社取り扱い赤外線サーモグラフィカメラの例はこちら ご使用環境や見たい対象についてのヒアリング、それに合わせたカメラの選定等のご相談も可能です。赤外線サーモグラフィカメラをご検討の方は一度、下記お問合せよりご相談ください。