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なくてはならない部品「ベアリング」の仲間たち

なくてはならない部品「ベアリング」の仲間たち | 機械部品と油圧技術

回転部品を支える「ベアリング」。機械の奥深くに使用されているためなかなか目にすることはできない部品です。ベアリングの働きはとても重要で、もしこの世にベアリングがなければ、産業や文化がここまで発達しなかったかもしれません。製造機械だけでなく自動車や電車、新幹線やブルーインパルスにも使用されているベアリング。今回はなかなか見る機会がない様々なベアリングについてご紹介します。

この記事を書いた人
常盤産業株式会社担当者

回転するほとんどの機械に使われている

この部品は「ベアリング」、別名「軸受(じくうけ)」とも言われ、回転する機械にはほぼ使われているといってよい部品です。機械の奥深くにあるため「縁の下の力持ち」なんていわれることもあります。ベアリングには様々な種類があり、それぞれの特長を活かし使われています。

ベアリングには様々な種類がある

高速回転ができて音も静かなので自動車や家電に使用されている「深溝玉軸受」

深溝玉軸受

一方向からの力を受けるのに適していて各種コンプレッサーやエレベーター巻き上げ機に使用されている「アンギュラ玉軸受」

アンギュラ玉軸受

垂直方向の力を支えることができ多くの工作機械に使用されている「円筒ころ軸受」

円筒ころ軸受

垂直方向だけでなく軸と同じ方向の両方の力を受けることができ自動車に使用されている「円すいころ軸受」

円すいころ軸受

軸のたわみを自動で調整することができ鉱山の設備や製紙工場などで使用されている「自動調心ころ軸受」

自動調心ころ軸受

ベアリングはいくつもの種類があり、それぞれに特色があります。なかなか目で見ることができない部品ですが、私たちの生活になくてはならないものには間違いないですね。

ベアリングは省エネにも役立っている

回転や往復運動をする場合、部品同士の摩擦が発生します。摩擦のせいで力やエネルギーをうまく伝えることができなくなるだけでなく、部品同士が摩耗してしまい抵抗が生まれます。抵抗を抑えて動かすためには、多くのエネルギーが必要です。

ベアリングはそんな摩擦や抵抗を抑えて、省エネルギーで部品を動かすためになくてはならないものです。例えば、自動車1台に使用されているベアリングは100個以上もあります。

もしこの世にベアリングがなかったら…部品を動かすため余分なエネルギーが必要になります。その量はなんと日本だけで原油50万リットル!しかもこれは日本の自動車だけの計算です。世界中で考えると恐ろしいほどの原油が必要になってしまうのです。

ベアリングの進化は止まらない

どんな機械にもなくてはならないといってもよいベアリングですが、無敵ではありません。最大の弱点は「腐食」です。これから先のメインとなるだろう電気自動車(EV)やハイブリット自動車(HV)の駆動モーターをサポートするベアリングには電流が通過するため電気化学的腐食(電食)が発生してしまいます。
この電食の発生を防ぐには「耐電食対応のベアリング」が必要です。

弊社が取り扱うNACHIベアリングには「耐電食性ベアリング」があります。EV化に適したベアリングについて聞いてみたい方は、常盤産業にお問合せください。

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