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旋盤加工とフライス加工 知ってるつもりシリーズ7

旋盤加工とフライス加工 知ってるつもりシリーズ7 | 技術解説

こんにちは。常盤産業のブログ担当 田中です。

旋盤加工フライス加工。毎日仕事でやってるよ!という方もいらっしゃれば、聞いたことはあるけどよく知らないなぁ、違いやそれぞれの特長はよくわからないかも……?という方も、全く聞いたことがない、何それ?という方もいらっしゃると思います。
わからない、聞いたことがない、と思ってもなかなか人に聞きづらいことってありますよね。私はあります。

今回は「知ってるつもりシリーズ」第7弾として、旋盤加工とフライス加工についてご紹介いたします。簡単な紹介となりますので、詳しく正確に知りたい方は書籍などでお調べください。

旋盤加工とフライス加工はどちらも加工機の中で刃物などのツールを使って対象物(以下ワーク)を削り、形を変える加工方法です。
穴をあけたり、表面を削ったり、溝を削り出したり……。そして、どちらもくるくる回しながら加工します。何を回すのでしょう?そこに違いがあります。

旋盤加工
旋盤加工はワークをくるくる回しながら加工します。回転するワークにツールをあてて円形にワークを削り取ります。イメージとしてはろくろでしょうか。ろくろに回される粘土を人の手で加工していくのに近いですね。
ろくろで作り上げられるものがツボやお茶碗など丸いものであるのと同様、旋盤加工も丸い形状のものに適した加工方法です。

旋盤加工では多くの場合バイトと呼ばれる刃が一つの刃物を使い、その刃は常にワークに接触し削り続けます。
円筒形状のものの真ん中に穴をあけたり、周囲を削り取って細くしたりテーパをかけたり、ネジ山を作って雄ネジ・雌ネジを作ったり。
ボルトやシャフト、ノズルなどを作ることができます。

旋盤加工

フライス加工
フライス加工はツールをくるくる回しながら加工します。しっかり固定されたワークに回転するツールをあてて、多くの場合直線にワークを削り取ります。イメージとしてはチェーンソーや電動ドリルのような手にもつ電動工具が近いでしょうか。
日曜大工やDIY、庭仕事をする時も止まっているものに対して回転する電動工具をあてて平面や直線に切断したり穴あけしたり研磨したりしますよね。

丸いものが得意な旋盤加工に対し、フライス加工は四角いものの加工に使われることが多いです……が、フライス加工は汎用性が高い為完成したワークの形状は様々です。
フライス加工では正面フライスやエンドミル、ドリル、サイドカッター、メタルソー、タップなどの刃が複数ついた刃物を使うため、複数の刃が回転しながらワークにあたり、刃とワークは接触・非接触を繰り返します。
さまざまな工具を使うことができる為、さまざまな加工が可能です。その分機械の価格も高価であることが多いようですね。
板の表面を削ったり側面を削ったり、曲面にしたり、溝を作ったり、穴をあけたり、タップ穴を作ったり。
金型や位置決め治具など工場の中で使われる機械部品が加工品の代表例ですが、身近なところではスマートフォンのボディなども削り出しているみたいです。

フライス加工

ワークを回して加工する、丸もの特化なのが旋盤加工ツールを回して加工する、多彩な加工が可能なのがフライス加工、といった感じですね。

……と、旋盤加工とフライス加工についてご紹介して参りましたが、最近では両方の特長を併せ持つ複合加工機というものもあります。

常盤産業では旋盤加工機フライス加工機、それらを兼ね備えた複合加工機、加工に使うドリルフライスバイトなどのツール類、ワークの固定や位置決めに使われる治具などを取り扱っております。

こんな加工がしたいんだけど、最新のツールの情報が知りたい、治具が壊れたけど作れるメーカーを探している、という方はお気軽に下記お問合せからご相談くださいませ!

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