こんにちは。常盤産業です。
アスベストが建材として多く利用されていた1970年~1980年代。その健康被害が深刻な問題になったのは、その数十年後でした。そのため、このアスベストによる健康被害は、昔の問題ではなく、今もなお慎重な対策が必要です。
アスベストに関する法令は非常に厳しく、適切な調査や対策を怠った場合、罰則が科せられる可能性があります。これほど厳しく取り締まるのは、アスベストが人体に与える影響が深刻だからです。そのため、国が徹底して管理を行っているのです。
もはや、「知らなかった」では済まされないアスベスト対策。企業として行うべきアスベスト対策とはどのようなものでしょうか。
この記事を書いた人
常盤産業株式会社担当者
愛知県名古屋市に本社を置く機械設備商社(知識商社)。
生産設備の自動化事業を核とし、500件以上の製造現場で課題解決を支援。特定のメーカーに縛られない中立な視点と、現場に寄り添う提案力に定評がある。
アスベストの危険性
アスベストは、天然に存在する繊維状の鉱物で「石綿」ともいわれています。耐熱性や耐薬品性、断熱性など優れた特性を持つことから「奇跡の鉱物」ともいわれ、建材や摩擦材など多岐にわたり使用されていました。
しかし、その微細な繊維を吸い込むことで、肺がんや悪性中皮腫などの重篤な健康被害を引き起こすことが明らかになりました。そのため、現在ではその使用が原則として禁止されています。
アスベストの恐ろしい点は、発症するまでに非常に長い潜伏期間があることです。数十年を経て症状が現れることも珍しくなく、知らないうちに危険にさらされ、将来的に発病するリスクがある非常に危険な物質です。
アスベスト使用の可能性がある場所
アスベストは、建材や設備といった多岐にわたり使用されていました。古い建物はもちろんのこと、「こんな場所にも?」と驚くようなところにまで使用されています。
目安となるのは、建物が建てられた年代。1970年代~1990年代にかけて建設された建物や設備には、アスベストが使用されている可能性が高いでしょう。
【建材・建築設備】
・屋根材: スレート、波板、煙突
・外壁材: サイディング、モルタル吹き付け材
・内装材: 天井ボード、壁ボード、床タイル、ビニールシート
・鉄骨耐火被覆材: 鉄骨の梁や柱に吹き付けられたもの
・配管の保温材: 給湯管、蒸気管などの保温材
・空調ダクト: フレキシブルダクト、断熱材
・Pタイル: ビニル床タイルの下地
【その他】
・エレベーターのブレーキライニング
・立体駐車場の機械部分
・ボイラーのパッキンやシール材
・各種機械設備の断熱材
さらに、これら以外にも、アスベストはさまざまな形で私たちの身近なところに存在しています。
アスベストを含む建材の解体・改修における注意点
アスベスト使用の可能性がある場所を解体・改修する際は、工事前にアスベストが含まれていないかを調査する「事前調査」を行い、調査の結果に応じて工事を行うことが義務化されています。
事前調査の流れ
1.書面調査:設計図や発注者へのヒアリングをもとにアスベストが含まれているか判断
2.現地調査:現地にて対象となる部分すべて(裏面、下地など)を確認
3.検体採取:対象となる建材の一部を採取
4.分析:JISA A 1481―1法やX線回折装置などを利用して分析
5.結果報告:アスベスト含有の有無を明示した報告書を作成
(アスベストが含まれている場合は、どの層に含まれているかを明示します)
この調査結果をもとに、工事計画を策定します。また、調査結果の報告は、労働基準監督署や自治体などの関係機関に報告します。
ただし、解体する場所の延べ床面積が80平方メートル未満、または改修工事の場合は、請負代金の合計額が100万円未満(税込み)の場合、事前調査のみ必要で、報告義務が不要の場合もあります。
アスベスト対策なら常盤産業へ
事前調査や分析は、有資格者でなければ行うことができません。解体ではない、ちょっとした改修にも調査が必要です。
例えば、設備の取り換えで床面にアンカーを打つ場合でも、床面の下地にアスベストが含まれている可能性があるため調査が必要です。
弊社では、事前調査から分析結果報告書の提出までお任せいただけます。さらに、工事もアスベストの飛散を防ぐ工法で行い、廃材の処分まで一貫して対応が可能です。
アスベストに関するご相談は、ぜひ弊社にお任せください。
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