2026.06.19
極小部品も識別可能!「モノの指紋」で個体管理を変える「GAZIRU.z」
こんにちは。常盤産業のブログ担当 上野です。 皆さん、「この世にある唯一無二のものは何か?」と聞かれたら、何と答えますか? 身近なものでいうなら、雪の結晶やDNAの配列、指紋などでしょうか。 なんだか神秘的な話になってきました。 実は、モノにも指紋のような「紋様」があることをご存じでしょうか。 肉眼では見ることが出来ないのが、この「紋様(物体指紋)」です。 たとえ同じ金型で作られた製…
投稿日:2026.09.02 最終更新日:2026.09.02
常盤産業のブログ担当 田中です。
人手不足や生産性向上を考えると、製造現場では「設備の自動化」を進めていく必要がありますね。自動化を進めようとすると、ロボットの導入を検討されることも多くありますが、ひとくちにロボットと言ってもその種類は様々。
今回はそれら製造現場の設備自動化に使われるロボットを大きく二つに分け、「産業用ロボット」と「協働ロボット」についてその違いをご紹介します。
「自社の現場にはどちらが合うのだろうか?」
「協働ロボットなら安全柵がいらないと聞いたけれど本当?」
このような疑問をお持ちの方はぜひご覧ください。両者それぞれのメリット・デメリット、そして導入時に必ず知っておくべき「80W規制」の歴史と現在のルールについて分かりやすく解説します。

目次
従来の「産業用ロボット」は、人間の代わりに高速・高精度・大出力で作業を行うために開発された産業機械です。古くは昭和の時代から生産現場で活躍しています。
<メリット>
・高速で正確な動作
人間には不可能なほどの高スピードで同じ動作を何度も繰り返すことができ、タクトタイムの短縮に貢献します
・高い可搬重量
数kgの比較的軽いものを持ち上げられる機種から、数百kg〜1トンを超える重量物まで持ち上げることが可能な機種まで、ワークや作業に合わせて選定可能です
・過酷な環境・作業でもOK
粉塵が舞う環境、高温・低温、危険化学物質を扱うエリアなど、人間にとっては危険な環境や作業でも安定して稼働します。
<デメリット>
・危険
高速・ハイパワーで動くため、人と接触すると重大な事故につながります。そのため、安全柵で区切り、人が入らない独立したエリアを作る必要があります。
・専門知識が必要
導入や作業内容変更時のティーチングには専門知識を持つエンジニアが必要です。
人と同じ空間で並んで作業することを前提に設計された比較的新しいカテゴリのロボットです。2010年前後ごろから普及し始めました。
<メリット>
・人と安全に共存できる
センサーによる「衝突検知機能」を備えており、人に触れると自動で安全停止します。条件を満たせば安全柵不要のため、狭いスペースにも設置が可能です
・かんたんなティーチング
ロボットのアームを直接手で動かして動作を記憶させる「ダイレクトティーチング」や、直感的にプログラミングができる「ブロックプログラミング」、あらかじめ動作の枠組みが用意されている「テンプレート機能」などを搭載している機種が多く、プログラミングのハードルが低いため未経験の方でもティーチングへの抵抗が少ないです。
・移設やレイアウト変更が容易
小型・軽量なモデルが多く、台車に乗せて必要な工程へ移動させるといった柔軟な運用が可能なモデルもあります
<デメリット>
・動作が遅い
人の安全を確保するため、産業用ロボットに比べて動作速度が抑えられています
・可搬重量が低め
数kg〜30kg程度が主流であり、極端な重量物の搬送には向きません(近年は50kg超の大型モデルも登場)
かつての日本の労働安全衛生規則では、「定格出力が80Wを超える産業用ロボットを使用する場合は、事業者は安全柵を設けなければならない」と定められていました。つまり、80W以下の超小型ロボット以外は、どのような安全機能がついていても安全柵が必須だったのです。

転機となったのは2013年12月。厚生労働省から「基発1224第2号」という通達が出され、この厳しい規制が大きく緩和されることになりました。
これにより、ISO 10218-1/2やISO/TS 15066といった国際的な安全基準を満たし、リスクアセスメントに基づいた確実な安全対策を行うことで、「出力80W超のロボットでも、安全柵なしで人間と肩を並べて働くこと」が正式に認められたのです。
そう、協働ロボットを使える幅がぐんと広がりました。
ここで注意したいのは「協働ロボットを導入しさえすれば、どんな状況でも安全柵が不要になるわけではない」という点です。
たとえロボット自体に高度な衝突検知機能が備わっていたとしても、アームの先に取り付ける「ハンド」が鋭利であったり、運搬する「ワーク」が危険物であったりする場合には、人と隣り合って作業させることはできません。
例えば、いくら衝突検知機能があって出力が抑えられていても、先端に鋭利なナイフを取り付けて高速で動くロボットや1000℃に熱された鉄の塊を運んでいるロボットと人間がぶつかれば大けがや命の危険につながりますよね。
そのため協働ロボットを安全柵無しで導入するには「ロボット+ハンド+ワーク+周囲の環境」を含めたシステム全体でのリスクアセスメントが必要不可欠となります。
産業用ロボットにも協働ロボットにもそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらの方が優れている、というものではありません。
導入したい作業や現場の状況に合わせて適切に選定することが大切です。
◇産業用ロボットを選ぶべきケース
・1秒でも早くタクトタイムを縮め、大量生産を行いたい
・50kg以上の重量物をハンドリングしたい
・危険な作業環境(溶接・塗装・鋳造など)から人を完全に遠ざけたい
・新工場建設や大規模な新ライン新設で、十分なスペースを確保できる
◇協働ロボットを選ぶべきケース
・既存の生産ラインのスペースが狭く、安全柵を置く場所がない
・変種変量生産(多品種少量)であり、定期的に作業内容や配置を変えたい
・予算や人手の都合上、自社の現場スタッフで簡単な設定や運用を行いたい
・検査や梱包など、一部の工程だけ「人の手助け」としてロボットを入れたい
設備自動化を成功に導くためには、ロボット単体の性能だけで判断するのではなく、最適なハンドの選定や架台設計、さらには安全面でのリスクアセスメントや周辺のセンサ・コンベアとのスムーズな連動など、装置全体を見据えた「トータルな最適化」が極めて重要となります。
常盤グループではロボットの販売のみでなく、貴社の状況やご要望に合わせた最適な自動化システムのご提案を行っております。
「この工程、ロボットで自動化できる?」「何から自動化すればよいかわからない」「自動化、というほどではないけど省人化したい」という方はぜひお気軽にご相談くださいませ。